電気工事には、強電設備と弱電設備の工事があります。使用電圧が48V以下の設備のことを弱電設備と呼んでいて、主に信号を伝え合う設備のことです。電気の力を利用して、通信や音声、映像などの伝達を行う分野のことで、外部からのノイズを考慮して設置を行う必要があるとされています。インターネットやラジオ、無線通信、電話などが分類されていて、テレビ設備もそのひとつです。

テレビ共聴設備とは、地上局や放送衛星から発せられている電波を受信するアンテナをマンションやアパートなどの屋上に設置することです。共同アンテナで受信した電波で各住戸に放送するアンテナ、混合器、増幅器、分配器、テレビ端子などの機器一式を通常テレビ共聴設備と呼んでいます。

建物の周りに大きな建物が建ってしまうことや建物に電波がぶつかって反射することで、電波が障害されることがあります。電波障害エリアでは、電波障害の原因となっている建物の屋上や敷地内に共同アンテナを設置して、電波障害が起きている各家庭へ電波を届けることができるように工事を行います。現在では、デジタル化によって不必要となっている場所もありますが、住民との折衝や撤去費用の負担などの問題から今でも電波障害が撤去されずに残ってしまっている施設もあります。場合によっては、自宅の屋根にアンテナを設置することで問題なく電波が受信できるところもあるようです。

電波の共同受信施設を設定することもテレビ共聴放送工事のひとつです。特に都会では、電波障害となっている地域が増加していて、テレビ共同受信システムによって障害対策を行なっています。ニュータウン共同受信施設や農村情報型、都市型CATVシステムなどの高度な受信技術が採用されており、場所によって最適なシステムを選んで設定されています。機器の点検や調整などもおこなっており、皆様が安心してテレビを楽しむことが出来るような作業を行なっているのです。